プロローグ
以下の解説には筆者の独断と偏見過分なネタバレが含まれています。




『L115AWM(アークティク・ウォーフェア・マグナム)』
アキュラシー・インターナショナルが設計・製造した英国軍採用狙撃銃『L96A1』のマグナム弾対応モデル。
7mmレミントンマグナム、.300ウィンチェスターマグナム、.338ラプアマグナムに対応。
作中での活躍は博麗が.338ラプアマグナム弾を使用し、何度か狙撃を行った。冒頭の狙撃シーンが最大の見せ場。
狙撃銃としては基本に沿ったボルトアクション式ライフル。唯一特筆すべき点は銃床にストレート・ストックを採用している点だろうか。
高精度&まあまあの装弾数で、大抵のFPSには大体登場している。敢えて語る必要がない程狙撃銃としてはメジャーかつ優秀な銃。
筆者的には映画『バイオハザードIIアポカリプス』でSTARS隊員が音楽聞きながら狙撃していたシーンが印象的。それだけ。


『ワルサーWA2000』
ワルサー社が設計・製造したセミオートマチック式狙撃銃。
上記のL115AWMと違い何から説明すれば良いのか分からない程特異な点が多い。
主な点を箇条書きすると。
・ブルパップ方式を採用
・独自のシルエット
・ボルトアクションライフルと遜色ない精度
・特殊なバイポットの着用場所
・重い(本体重量7kg)
・高い(一丁7000ドル。2012年現在の日本円にして54万円)
・生産数が少ない(推定176丁とも言われているが現存数は不明)
等々。1080年台には珍しい(狙撃銃としては現在でも珍しい)ブルパップ方式を採用した結果、かなり奇抜な外見をしている。
ブルパップ方式とはグリップやトリガーよりも後ろに弾倉や機関部を配置する方式の事で、銃本体の全長をコンパクトに抑えながらもバレルの長さを確保できるという利点がある。
しかし欠点もあり、銃床に機関部がある為、射手の耳元で撃発が起こる事や、薬莢が射手の視線を横切るないし射手の顔に当たる、リコイルコントロールが難しい等。
また銃床と機関部が一体化している為、身体に合わせたストックの調整が難しく、当然折り畳みストックや伸縮ストック等も採用出来ない。
傾向としては欧州圏等では比較的好まれており、司法機関、軍問わずこの方式が採用されている場合が多い。
本題の解説に戻ると、WA2000は性能単体で見るなら非常に優秀な銃であり、本来精度が劣るとされるセミオートマチック式狙撃銃であるにも関わらずボルトアクションライフル並の精度を誇る。
使用可能弾薬の種類も多く.300ウィンチェスターマグナム、.308ウィンチェスター、7.5×55mmスイス、.338ラプアマグナム等の弾薬が使用可能。
本作での活躍は終盤に博麗が遠方からの連続狙撃に使用した。
特異な外見から中々印象深い銃である。筆者は大好き。ただ、知名度の問題かメディアへの登場はあまり多くない。
一部のFPSや映画、ミリタリー系アニメ・映画への登場に留まる。最近だと『Fate/Zero』で有名か。映画『リベリオン』漫画『GUNSLINGER GIRL』にも登場。
リベリオンに登場した際は警備隊員が犬を撃ち殺す為だけに使用していました。割りと勿体無い。


『レミントンM11-87』
レミントン・アームズ社が開発したガス圧作動方式セミオートマチックショットガン。
劇中では序盤に博麗が妖怪との大立ち回りを演じた際に使用。
元はレミントンM1100を改良し軽量化と装弾数増加(5発から7発へ)したモデル。
一般的なポンプアクションショットガンと違い、レミントンM11-87は発砲の際に発生した燃焼ガスを用いて排莢と給弾を行う。
1963年にレミントンM1100が登場して以降、改良とマイナーチェンジが繰り返されショットガンの中でもロングセラーと言える銃。
長年に渡って洗礼された設計は動作不安が懸念されるガス圧作動方式ショットガンの中でも高い信頼性を誇る。
使用弾薬は12ゲージ弾、16ゲージ弾、20ゲージ弾、28ゲージ弾、.410ゲージ弾の他、スラグ弾も使用可能。
有名な登場作品としては『バイオハザード2』『バイオハザード(映画)』等々。


『H&K HK69』
ヘッケラー&コッホ社開発の中折れ単発式のグレネードランチャー。
一般的なグレネードランチャーではあるが、ピストルグリップの採用や伸縮ストックの採用等、当時としては先進的な機構を採用している。
本編では博麗が序盤の戦闘と終盤の戦闘で使用。地味ながらそこそこの活躍をした。


『トンプソン・サブマシンガンM1928』
今作一番の骨董品。シカゴ・タイプライター、トムソン銃、トミー・ガンの名でギャング映画にはお馴染みの短機関銃。
本編に登場したものは第二次世界大戦時に英軍やスェーデン軍、仏軍に採用されたM1928型。
高いストッピングパワーを誇る.45ACP弾をドラムマガジンに100発装填可能。大容量!説明不要。
禁酒法時代に警察とギャングの双方で使用され、その後もモデルチェンジを繰り返しながら第二次世界大戦の戦場を駆け巡った不朽の名銃。
ギャングといえば葉巻と帽子、スカーフ、スーツ姿にトミー・ガンと言われる程メジャー。
ちなみに映画での活躍といえば、プライベート・ライアンでミラー大尉が軍用モデルであるトンプソンM1A1(ドラムマガジン装着不可)を使用していた。
その他禁酒法時代のギャングを描いた映画には必ず登場するので紹介は省略。
本編では終盤の戦闘で博麗が使用していた。


『IMIガリル』
イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ (IMI) 社製のアサルトライフル。
本編では一発も発砲する事が無かった。一番地味。
フランスのバルメ社が販売していたRk62(AK-47の独自改良型)を元に開発されたアサルトライフル。
端的に言えばAK-47の孫に当たる。モデルによって使用弾薬が違い5.56mm×45NATO弾使用モデルと7.62mm NATO弾使用モデルがある。
本編に登場したガリルは5.56mm×45NATO弾モデル。
細かな特徴が幾つかあるが、本銃最大の特徴は栓抜き・ワイヤーカッターを装備している事。ただし現行のモデルでは廃止。
これは標準装備されたバイポットの固定具が栓抜きやワイヤーカッターとしての役割を果たすというもので、世界的には余り例のない機能。
登場作品としては『第9地区』に登場。その他にも大抵のFPSには登場している。



『FN ブローニング・ハイパワー』
稀代の名発明家ジョン・モーゼス・ブローニングが設計し、デュードネ・ヨセフ・サイーブが改良、ファブリックナショナル社が製造した自動拳銃。
発売後、軍での採用は少なかったものの民間へ販売されロングセラーとなった拳銃。
海外の刑事ドラマ等ではよく目にする機会がある。
名前の「ハイパワー」とは威力の事ではなく、当時としては破格であった装弾数(13発)から。
どちらかと言えばブローニング・ハイキャパシティの方がしっくりくる気がしなくもない。
ただし、拳銃でハイキャパシティと言えばダブルカラムマガジン仕様のM1911になってしまうので結局ハイパワーのままでいいのかもしれない。
使用弾薬は9mmパラベラム弾。拳銃用弾薬としては同じくメジャーな.45ACP弾と比較した場合、ストッピングパワーで劣るが、弾速が速く弾道がフラットかつ反動が.45ACP弾よりも少ない。
本編では博麗が全編通して腰に吊り下げているため比較的出番が多い。
かなり有名な拳銃なので実写、アニメ、漫画、ゲーム問わず幅広く登場。
筆者が印象に残っている登場作品は『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』でバトーがカスタムした本銃を使用しているシーン(全編通して)。